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下地調整1種(素地調整1種)とは?ブラストが必須な理由・Sa2.5・施工の流れを解説

2026-07-16

橋梁や鉄骨の塗装工事の仕様書で「素地調整程度1種」と指定され、

「1種とは具体的にどんな処理なのか」 「なぜブラストでないとダメなのか」 「どこに頼めば施工できるのか」

と調べている方に向けた記事です。

この記事では、

  • 下地調整1種(素地調整1種)の定義
  • 「下地調整」と「素地調整」という用語の関係
  • 1種にブラストが必須な理由とSa2.5
  • 施工の流れと注意点
  • 1種が指定される代表的なケース

 

を、鋼構造物のブラスト・塗装を手がける専門業者の視点で解説します。

「下地調整」と「素地調整」は同じ?用語を整理

まず用語の整理からです。

鋼構造物の塗装分野では、塗装前にサビ・旧塗膜を除去して下地を整える処理を素地調整と呼び、仕様書でもこの表記が使われます。 一方、建築塗装の分野では下地調整という言葉が広く使われており、「下地調整1種」と検索される方も多くいます。

 

この記事では、鋼構造物の仕様書における素地調整程度1種(通称: 1種ケレン)について解説します。 「下地調整1種」を調べてこのページに来られた方も、指しているものは同じとお考えください。

下地調整1種(素地調整1種)とは

素地調整1種とは、ブラスト工法により、鋼材表面のサビ・旧塗膜・黒皮(ミルスケール)をほぼ完全に除去し、清浄な鋼材素地を露出させる、最も高いグレードの素地調整です。

素地調整は除去の程度により1種から4種に分類されますが、1種だけが他と決定的に違う点があります。 それは、工具による手作業ではなく、ブラスト(研削材の吹き付け)でなければ達成できないという点です。

  • 1種: ブラストにより、サビ・旧塗膜・黒皮を完全に近いレベルで除去(除錆度Sa2.5相当)
  • 2種: 動力工具でサビ・旧塗膜を除去
  • 3種: 健全な旧塗膜(活膜)は残し、劣化部のみ除去
  • 4種: 表面の清掃程度

 

2種以下は「どこまで落とすか」の程度の違いですが、1種は工法そのものが指定されている、と理解すると分かりやすいでしょう。

なぜ1種はブラストでなければならないのか

理由① 除去レベル(Sa2.5)が工具では到達できない

素地調整1種は、ISO 8501-1の除錆度でSa2.5相当(ごくわずかな残存物を除きサビ・旧塗膜を除去した状態)が求められます。 ディスクサンダーなどの動力工具では、平滑面はある程度磨けても、ボルト部・溶接部・入り隅などの細部や、鋼材表面の微細な凹部に入り込んだサビまでは除去しきれません。 研削材を高圧で吹き付けるブラストだからこそ、複雑な形状でも均一にSa2.5へ到達できます

理由② 塗料が密着する粗面(アンカーパターン)を作れる

ブラストは、除去と同時に鋼材表面へ微細な凹凸(アンカーパターン)を形成します。 この凹凸が塗料の接触面積を増やし、塗膜を物理的に食いつかせる役割を果たします。

 

特に重要なのが、重防食塗装系の防食下地となる無機ジンクリッチペイントとの関係です。 無機ジンクは鋼材と電気的に接して初めて犠牲防食の性能を発揮するため、Sa2.5未満の素地に塗っても本来の防食性能が出ないとされています。 つまり、1種の品質が塗装系全体の寿命を決めるのです。

素地調整1種が指定される代表的なケース

  • ・橋梁・歩道橋の塗替え: 国土交通省の重防食塗装系(Rc-Ⅰ系など)への塗替えでは素地調整1種が前提
  • ・新設鋼材の製作時塗装: 黒皮(ミルスケール)の除去に1種(原板ブラスト・製品ブラスト)が用いられる
  • ・臨海部・プラントの鋼構造物: 飛来塩分などの過酷な環境で長期防食を狙う場合
  • ・鉛・PCB含有塗膜の完全除去: 有害物質を含む旧塗膜を全て除去し再塗装する仕様

 

近年は、橋梁の長寿命化修繕計画にともない、旧塗膜を全除去してRc-Ⅰ系へ塗り替える設計が増えており、素地調整1種(ブラスト)の需要は年々高まっています。

素地調整1種の施工の流れ

① 旧塗膜の調査

塗替えの場合、まず旧塗膜に鉛・クロム・PCBなどの有害物質が含まれていないかを調査します。 含まれる場合は、飛散を抑える工法の選定と適正な廃棄物処理計画が必要です。

② ブラスト施工

研削材(フェロニッケルスラグ・ガーネット・スチールグリットなど)を選定し、ブラストでSa2.5まで素地を調整します。 現場条件により、乾式・湿式などの工法を使い分けます。

③ 除錆度の確認

仕上がりをISOの標準写真などと対比し、Sa2.5に達しているかを確認します。

④ 速やかに下塗り(プライマー)

ここが1種施工の最大の注意点です。 ブラスト直後の鋼材素地は非常に活性で、数時間のうちに薄いサビ(フラッシュラスト)が発生します。 サビが出た状態で塗装すれば1種の意味がなくなるため、ブラスト後は速やかに下塗りへ移る工程管理が必須です。

発注時の注意点|ブラストと塗装は同じ業者に

上記④の性質から、素地調整1種では「ブラスト業者」と「塗装業者」を分けることに大きなリスクがあります。

ブラスト後に別業者へ運搬・引き渡しをしている間にフラッシュラストが発生すれば、再ブラストの追加費用と工期遅延が生じます。 また、塗膜に不具合が出た際、素地調整と塗装のどちらに原因があるのか、責任の所在が曖昧になりがちです。

 

素地調整1種を確実に活かすには、ブラストから下塗り・上塗りまでを同一拠点で一貫施工できる業者に発注することが、品質・コスト両面で最も合理的です

岡山倉敷のカイシン工業なら素地調整1種から塗装までワンストップ

岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、橋梁・歩道橋などに使用される鉄骨・配管の素地調整1種から塗装までを一貫対応しています。

特許登録済みのマルチメディア・ブラスト工法®(特許第7776072号)は全研削材・全工法に対応し、産業廃棄物を現場内で分離して有害物質を外部に持ち出さない、環境に配慮した施工が可能です。 ブラスト直後に同一工場内で下塗りへ移れるため、フラッシュラストのリスクを最小限に抑え、素地調整1種の品質をそのまま塗膜性能につなげます。

引き取りから、ブラスト、塗装、保管、現場納品までのワンストップ対応により、従来比60%のコストダウンと最短7日での納品を実現。 鉄骨・配管1本からご依頼いただけます。

 

「仕様書で素地調整1種が指定されたが施工先を探している」「ブラストと塗装をまとめて任せたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 下地調整1種と素地調整1種は同じものですか? A. 鋼構造物の塗装においては同じものを指すと考えて差し支えありません。仕様書では「素地調整程度1種」という表記が一般的で、現場では「1種ケレン」とも呼ばれます。

Q. 素地調整1種は動力工具では施工できませんか?

A. できません。1種はブラスト工法による施工が前提です。動力工具による処理は2種以下に分類されます。

Q. Sa2.5とはどのような状態ですか?

A. ISO 8501-1に基づく除錆度の等級で、ごくわずかな残存物を除いてサビ・旧塗膜・黒皮が除去された状態です。素地調整1種はこのSa2.5相当の仕上がりが求められます。

Q. ブラストの後、どのくらいで塗装すればよいですか?

A. ブラスト後の素地は短時間でサビ(フラッシュラスト)が発生するため、当日中など、できる限り速やかに下塗りを行うのが原則です。環境(湿度・塩分)によって許容時間は変わります。

 

Q. 現場でブラストができない場合、素地調整1種は諦めるしかありませんか?

A. 鉄骨・配管を取り外せる場合は、工場に持ち込んでブラスト・塗装する方法があります。カイシン工業では引き取りから現場納品まで自社トラックで対応していますので、お気軽にご相談ください。

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