【歩道橋塗装】ブラスト工法とは?乾式・湿式の違いと鉛・PCB塗膜への対応を解説
2026-06-16
歩道橋の塗り替えで、塗膜を長持ちさせるためのカギを握るのがブラストによる素地調整(下地処理)です。
そして、古い歩道橋では避けて通れないのが、旧塗膜に含まれる鉛・PCBなどの有害物質への対応です。
この記事では、
- ブラスト工法とは何か、なぜ重要なのか
- ブラスト工法の種類(乾式・湿式・循環式・バキューム)と違い
- 鉛・PCB含有塗膜の除去で求められる法令対応
- PCBを含む塗膜くずの産業廃棄物処理
を、橋梁・鋼構造物のブラスト塗装を手がける専門業者の視点で解説します。
歩道橋の塗り替えを計画する自治体・道路管理者の方、橋梁工事を請け負う建設会社のご担当者は、ぜひ参考にしてください。
ブラスト工法とは?塗膜寿命の半分を決める素地調整
ブラスト工法とは、研削材(鉱物・スラグ・金属などの粒子)を圧縮空気で鋼材表面に高速で吹き付ける下地処理の方法です。
その衝撃で、サビや旧塗膜を除去すると同時に、塗料が密着しやすい清浄な粗面をつくります。
歩道橋・橋梁の塗り替えでは、サビや旧塗膜を根こそぎ除去できる素地調整程度1種(1種ケレン)が、長寿命化の理想とされています。
塗膜が長持ちするかどうかは、塗料の性能以上に、この素地調整の品質に大きく左右されるといわれています。
つまり、ブラストは「塗装の前段階」ではなく、塗膜寿命を決める主役級の工程なのです。
ブラスト工法の種類と違い
ブラスト工法には、現場の条件に応じていくつかの種類があります。
歩道橋の塗り替えで使われる主な工法、オープンブラスト・循環式ブラスト・バキュームブラスト・湿式ブラストを整理しました。
工法選定のポイント
どの工法が最適かは、現場の立地(市街地か/交通量)、旧塗膜の有害物質の有無、産廃処理のコスト、求める素地調整グレードなどによって変わります。
歩道橋は人通りの多い場所に設置されることが多いため、粉じんや塗膜片の飛散をいかに抑えるかが、工法選びの重要な判断軸になります。
古い歩道橋で要注意|鉛・PCB含有塗膜への対応
築年数の経った歩道橋の塗り替えで、必ず確認すべきなのが旧塗膜に含まれる有害物質です。
かつての防錆塗料には、鉛やクロム、PCBといった有害物質が使われていた時期があります。
これらを含む塗膜を、養生の不十分な乾式ブラストで除去すると、有害物質が粉じんとして飛散し、作業者や周辺環境に健康被害を及ぼすおそれがあります。
そのため、法令に基づいた適切な対応が求められます。
鉛を含む塗膜の剥離に関する法令
鉛については、含有量にかかわらず「鉛中毒予防規則」の適用を受けます。
作業環境の測定や、作業主任者の選任、有効な保護具の着用などが求められます。
さらに、2014年に厚生労働省から出された通達では、鉛等の有害物を含む塗料の剥離・かき落とし作業について、作業を湿潤化して(湿式工法で)行うことが周知されています。
そのため、鉛含有塗膜の除去では、湿式ブラストや剥離剤工法、超高圧水洗浄などの飛散を抑える工法が選ばれるのが一般的です。
発注者にも求められる「事前の成分把握」
この対応は、施工業者だけの問題ではありません。
剥離作業を発注する側にも、塗料中の鉛・クロム等の有害物質の有無を把握し、施工者に情報を伝えること、調査やばく露防止対策に必要な経費へ配慮することが求められています。
つまり、塗り替えを計画する段階で、まず旧塗膜の成分調査を行うことが、安全とコスト管理の両面で欠かせません。
PCBを含む塗膜くずの産業廃棄物処理
鉛と並んで注意が必要なのが、PCBを含む塗膜です。
PCBを含む塗膜を除去して出た塗膜くずは、低濃度PCB産業廃棄物に該当する場合があります。
該当する場合は、通常の産廃とは異なる、適正な処理が必要です。
一方で、PCB濃度が一定の基準以下であれば、低濃度PCB汚染物に該当せず処理区分が変わるケースもあります。
いずれにせよ、塗膜くずの処理区分は成分分析の結果によって決まるため、ここでも事前の調査が重要になります。
このように、有害物質を含む歩道橋の塗り替えでは、「除去工法」と「廃棄物処理」の両方に手間と費用がかかりやすいのが実情です。
カイシン工業の「マルチメディア・ブラスト工法®」でブラストと塗装を一貫施工
岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、歩道橋や橋梁などの鋼構造物に対し、特許登録済みのマルチメディア・ブラスト工法®(特許第7776072号)を用いた素地調整・塗装を行っています。
岡山で初めて導入された、先進的なブラスト施工システムです。
有害物質を現場外に持ち出さない
マルチメディア・ブラスト工法®の大きな特徴は、現場内で産業廃棄物を分離し、有害物質を現場外に持ち出さない点にあります。
橋梁や高速道路などの塗り替え・素地調整で、工期短縮と環境配慮を両立できる工法です。
全研削材・全工法に対応しているため、旧塗膜の状態や有害物質の有無といった現場の条件に応じて、最適な施工が可能です。
ブラストから塗装・運搬・保管までワンストップ
カイシン工業では、ブラスト(素地調整)だけでなく、その後の塗装、さらに鋼材の運搬・保管までを一括対応しています。
工程を分けて複数業者に発注する手間が省け、有害物質を含む難しい案件でも、窓口を一本化して進められます。
よくある質問(FAQ)
Q. 歩道橋の塗り替えに、なぜブラストが必要なのですか?
A. 塗膜の寿命は、塗料の性能以上に下地処理(素地調整)の品質に左右されるためです。 ブラストはサビや旧塗膜を根こそぎ除去でき、長寿命化に理想的な1種ケレン相当の素地調整を実現できます。
Q. 乾式ブラストと湿式ブラストは何が違いますか?
A. 乾式は研削材をそのまま吹き付ける方法で、除去力が高い反面、粉じんが飛散しやすいのが特徴です。 湿式は水を併用して粉じんの飛散を抑える方法で、鉛などの有害物質を含む塗膜の除去で用いられます。
Q. 古い歩道橋の塗膜に鉛が含まれている場合、どんな対応が必要ですか?
A. 鉛は含有量にかかわらず鉛中毒予防規則の対象です。 2014年の厚生労働省通達では、剥離作業を湿潤化して行うことが周知されており、湿式工法などの飛散を抑える方法が一般的に選ばれます。 まずは旧塗膜の成分調査が出発点になります。
Q. PCBを含む塗膜が出た場合、廃棄物はどうなりますか?
A. PCBを含む塗膜くずは、低濃度PCB産業廃棄物に該当する場合があり、適正な処理が必要です。 濃度が一定基準以下なら処理区分が変わるケースもあるため、成分分析の結果に基づいて判断します。
Q. 有害物質を含む塗膜でも対応してもらえますか?
A. カイシン工業のマルチメディア・ブラスト工法®は全工法に対応し、産業廃棄物を現場内で分離して有害物質を現場外に持ち出しません。 現場の状況をふまえて適切な工法をご提案しますので、お問い合わせよりご相談ください。
