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フラッシュラストとは?発生原因・塗装への影響・防止する4つの対策を解説

2026-08-24

「ブラストしたばかりの鋼材が、数時間で薄茶色に変色してしまった」 「湿式ブラストの後に出るサビは、塗装前に落とすべき?」

ブラスト処理の現場でしばしば問題になるのが、フラッシュラストと呼ばれる急速な初期サビです。 せっかくSa2.5まで仕上げた素地も、フラッシュラストへの対応を誤れば、塗膜の性能を損なう原因になります。

この記事では、

  • フラッシュラストとは何か・なぜ発生するのか
  • 塗膜への影響
  • 発生させない・影響させないための4つの対策

 

を、鋼構造物のブラスト・塗装を手がける専門業者の視点で解説します。

フラッシュラストとは

フラッシュラストとは、ブラスト処理後の鋼材表面に、短時間(数十分〜数時間)で発生する薄い初期サビのことです。 「flash(瞬間的な)rust(サビ)」の名の通り、通常のサビよりはるかに速く、素地全体がうっすらと黄色〜茶色に変色するのが特徴です。

なぜブラスト直後の鋼材はすぐサビるのか

ブラスト処理された鋼材の表面は、

  • サビ・旧塗膜・黒皮といった保護層(酸化被膜)が完全に取り除かれ、
  • アンカーパターン(微細な凹凸)によって表面積が大きく増えた、

 

非常に活性の高い状態にあります。 むき出しの鉄が水分・酸素に触れれば、腐食反応は即座に始まります。 つまり、素地調整の品質が高いほど、サビやすい状態でもあるというのがブラストのジレンマです。

フラッシュラストが発生しやすい条件

  • ・湿式ブラスト・ウォータージェットなど水を使う工法の後(表面に水分が残るため特に発生しやすい)
  • ・湿度の高い環境、結露が起きる温度条件
  • ・海岸部など飛来塩分の多い環境(塩分は腐食を強く促進する)
  • ・ブラストから塗装までの時間が空いた場合

フラッシュラストは塗膜にどう影響するか

フラッシュラストの上にそのまま塗装すると、次のリスクがあります。

  • 付着力の低下: サビ層が鋼材と塗膜の間に挟まり、密着を妨げる
  • 早期のサビ再発: 塗膜下に残った腐食生成物や塩分が起点となり、膨れ・サビが再発する
  • ジンクリッチペイントの性能低下: 防食下地のジンクは鋼材と電気的に接して初めて犠牲防食が働くため、間にサビ層があると性能を発揮できない

 

程度がごく軽微な場合の扱いは仕様・塗料によって判断が分かれますが、重防食塗装においては、フラッシュラストのない清浄な素地に塗るのが大原則です。 発生してしまった場合は、再ブラストやスイープブラストなどで除去してから塗装する必要があり、その分の手戻りコストが発生します。

フラッシュラストを防ぐ4つの対策

対策① ブラスト後、速やかに塗装する

最も基本かつ効果的な対策です。 ブラスト完了から下塗り(プライマー)までの時間を最短にする工程計画を組みます。 目安として当日中の塗装が原則で、湿度や塩分環境によってはさらに短い管理が求められます。

対策② 環境(湿度・温度)を管理する

湿度が高い、または鋼材温度が露点に近い条件では、表面に目に見えない結露が生じサビが進みます。 屋内の管理された環境で施工する、除湿・温度管理を行う、天候の悪い日は塗装を避ける、といった管理が有効です。

対策③ 塩分を除去する

飛来塩分や旧塗膜下の塩類が素地に残っていると、フラッシュラストの発生も塗膜下腐食も加速します。 海岸部・融雪剤散布路線の橋梁などでは、素地の塩分量を測定し、必要に応じて水洗い・ブラストで塩分を除去してから塗装します。

対策④ 湿式工法の後は乾燥管理と防錆処理を徹底する

湿式ブラストやウォータージェットを使う場合は、施工後の水分が残らないよう乾燥を確認してから塗装します。 仕様によっては、フラッシュラストを抑える防錆剤の使用が認められている場合もありますが、塗料との適合性を確認したうえで用いる必要があります。

結局、最大の対策は「ブラストと塗装を分けないこと」

4つの対策に共通するのは、ブラストから塗装までの時間と環境をいかに管理するかという点です。

ブラスト業者と塗装業者が別会社の場合、

  • ブラスト後の運搬・待機の間にフラッシュラストが発生する
  • 発生した場合の再処理費用をどちらが負担するかで揉める
  • 塗膜不具合の原因が素地か塗装かの切り分けが難しい

 

といった問題が起こりがちです。 同一工場内でブラスト直後に塗装まで行える体制なら、これらのリスクは構造的に発生しません。 フラッシュラスト対策とは、突き詰めれば発注方法の問題でもあるのです。

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岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、橋梁・歩道橋などに使用される鉄骨・配管のブラスト(素地調整)から塗装までを同一工場内で一貫対応しています。

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よくある質問(FAQ)

Q. フラッシュラストとは何ですか? A. ブラスト処理後の活性な鋼材表面に、数十分〜数時間という短時間で発生する薄い初期サビのことです。特に湿式ブラストの後や高湿度の環境で発生しやすくなります。

Q. フラッシュラストの上に塗装してはいけませんか?

A. 重防食塗装では、フラッシュラストのない清浄な素地に塗るのが大原則です。サビ層は塗膜の付着とジンクリッチペイントの防食性能を損なうため、発生した場合は除去してからの塗装が基本です。

Q. ブラスト後、どのくらいの時間なら塗装して大丈夫ですか?

A. 環境(湿度・温度・塩分)によって大きく変わりますが、当日中の塗装が原則です。海岸部や高湿度環境では、さらに短時間での管理が求められます。

Q. 湿式ブラストを使うとフラッシュラストは避けられませんか?

A. 発生しやすくはなりますが、乾燥管理・環境管理・速やかな塗装を組み合わせることで、影響を抑えて施工できます。仕様に応じた工程管理が重要です。

 

Q. フラッシュラストが発生してしまったらどうすればいいですか?

A. 程度にもよりますが、スイープブラストや再ブラストで除去してから塗装するのが基本です。手戻りを防ぐには、ブラストと塗装を一貫して行える業者への発注が最も確実です。

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